2010/05/08
こころ
☚昭和二十七年二月二十九日 発行
著者;夏目漱石
まずはじめに、長いこと更新せず、すみませんでした。
本はずっと読んでいました。
この期間に新しく読んだ本は10冊です。
ある種の本の読み方が変わったので、
つまり、内容さえなんとなくつかめれば、文章を一文一文読まなくてもいいかという読み方をしたものもあり、
そういう読み方で更新するのが少し億劫だったのです。
でも、一冊一冊には感想も不図思ったこともあるので、
気になったら紹介したり、
自分の頭の整理の為に感想文にすることにします。
そして、『こころ』。
うーむ。
私には少なくとも、この本は今で無いと理解できない本だったと思います。
これを、国語のテストとか問題に出して、解答できる若者学生がいるとは到底思えない。
まぁ、テストでは丸がもらえる解答の形式みたいなので答えればいいのだろうが・・・。
『こころ』は夏の匂いをいっぱい感じる。
若さを感じた。
(私は、物語の季節設定が夏だと、読むのが早い。
本や映画を読んだり見たりすると、その世界が自分の中に残って気分が支配されてしまうから、できるだけ爽やかな内容の方が好きなのです。)
自分に愛想を尽かして動けなくなったのです。(先生と遺書 五十二最後)
これはすごく怖いことです。
先生は自分が許せない。
(このような性質の人間にとって、自分ひとりで自分を許し、好きになれることは在り得ない。)
先生と妻の関係は、先生にとっては、互いにこの世に一人の男女だったにも関わらず、あのような結末になった。
先生は、妻の過去の記憶を汚してまでも、自分を回復するべきだったと思う。
妻は一体、どのようにして一人で分けの分からないまま生きていけるというのだろう?
先生はこの世で愛するたった一人の妻さえ、自分を理解していないのが悲しかったにも関わらず、理解してもらえるように説明することができなかった。
自分を否定するあまり、他人を巻き込むことができなかったのかなと、私は思う。
しかし、それでも妻の立場からしてみると、先生は努力して二人で死んだつもりでも生きていく方法を見つけるべきだった。
にしても、妻も中々のんびりしてる。
Kや先生の心中にまったく気付かなかったとは、女として罪がある。
お嬢さんだったのだから仕方ないのか。
果たしてそのような女性がこの世に存在するのだろうか??
自己否定の人には、
他人の絶対なる、温かくて天然な明るさで、温かい視線・観察が必要になる。
どんなお前でもOKだ。お前自信になんの問題もない。嫌われる心配・見捨てられる心配など必要ない。
それは夫婦関係の基本でもあるのではないか。
何があっても、一緒に食って、生きていく。
例え男女の最小単位を結んでいなくても、兄弟姉妹だとか、同等の無二の親友がいれば、男でも女でも関係ない。
あなたが生きているだけで、自分は安心できるのだというのが欲しいのはみんなそうじゃないか。
それが無いと、自分の生きている意味・必要性を感じれなくなる。
私はまだ人生の途中であり、分からない事だらけです。
結婚したから、子どもができたからと言って、何かが決定されるわけではなかろう。
つまり、「真実の愛は決して順調に運ばない。」
私は、この言葉を信じる。
結果として、人生を共にできた二人だったということかなぁと。
しかしながら、そう誰とでも人生を共にできるなんて思わないから、やはり気の合う二人だったのだと言えよう。
ちなみに、先生と妻は、どのくらい、どんなセックスをしたのか。
子どもができない理由が天罰だから、セックスという気分にはなれないのだろうと想像する。
セックスは、やはりコミュニケーションなのだろう。
セックスが技術的に上手だと、セックスでのコミュニケーションは下手より上手くいきやすいのだろうという予測は否定しない。
しかし、そこにも相性があることは、セックスもコミュニケーションであると考えると当たり前の事だ。
アンジェリーナ・ジョリーはブラッド・ピットと仲良しだった頃の記事に「ooと付き合っていた頃は毎日セックス漬けだった。彼(ブラッド)には安定を求めている。(もしくは、感じている。)」という様な事も述べていた。
その時のアンジーは強がりながらも、ブラッドに甘えていた。
アンジー達にはアンジー達の色々複雑な経緯があり、ブラッドとも別れたし、一概にセックスを軸としてどうこう言える例では無いのですが。
甘えるって、我(ガ)を見せることだと思う。
それは、好きなのに(相手を気遣う故に)つい、自分の方で我慢してしまうけど、
相手とリラックスして共有できる関係になる為に、思い切って
我を我慢せず、発揮することは大切なことだと思う。
そんな方向性を見出せたら、先生も死ぬこともなかったろうと思った。
という感想でした(^^)。
読んでくださって、ありがとうございました。
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