2009/08/09
傾聴力
☚2008年8月8日 第一刷発行
2009年3月19日 第三刷発行
著者 古宮昇
>第一章 「傾聴」という援助法について
1 悩んでいる人を支える方法について
悩んでいる人やつらい思いをしている人を見ると、助けたい、ラクになって欲しい、と願うものです。助けるためにはさまざまな方法があります。その人に代わって問題を解決したり、それができないときには、解決策をアドバイスすることもあるでしょう。それさえできないときは、元気づけたり励ましたりするかもしれません。
でも、深く大きな悩みや迷いを抱えている人や心が弱っている人に、簡単に教えられる解決策もなければ、アドバイスをしたところで役に立たないことも多いでしょう。正しいアドバイスや解決法を実行できるくらいなら、とっくに自分で解決しているかもしれません。
また、悩んでいるとき、「元気を出しなさい」とか「くよくよするな」と励まされても、元気が湧いたり気持ちを切り替えたりなどできないこともあるでしょう。「うまくいくから大丈夫だよ」と太鼓判を押されたので「そうだね」とは答えたものの、本当に大丈夫だとは信じられないこともあるでしょう。
悩み苦しむ人を支える方法の一つとして、解決策やアドバイスを与えることのほかに、その人の話に親身になって耳を傾ける(傾聴)という方法があります。悩み苦しむ人にとって何より大きな助けになるのは、しばしば自分の話をじっくり聴いてもらい、自分の事を親身になって分かってもらう事なのです。
2 傾聴がなぜ支えになるのか
(1)自分を表現したいという願い
私たち誰もが自分を表現したいという深い欲求をもっています。絵画や音楽などの芸術活動や服をデザインして着ることなどは、世界中の人たちが大昔から行ってきた自己表現です。そして、なかでも最も身近な自己表現は、話をすることです。自分を表現することは私たち人間の深い欲求であり、それができないとき、私たちの心は窒息します。
さらに私たち誰でも、自分のことを分かってほしいと強く願っています。だから理解されないとき、深い孤独感を感じたりすごく腹がたったりします。人と人の間ではけんかになり、国と国の間では戦争の一因になります。
ですから私たちは、悩みを抱えて苦しんでいるときや心が弱っているとき、心配事や気になっていることを自分のペースで話し表現することが、特に大切になります。そして、それを親身になって分かってもらえると、さらに自由に話すことができます。そうして十分に表現できるにつれ、こころがラクになっていきます。それとともに、もともと私たちの内にあった強さ、たくましさが少しずつ蘇ってくるのです。
(2)成長を求める命の力
植物を育てるとき、光、温度、養分、水などの環境を整えます。植物は適切な環境があれば、その植物らしく育っていきます。人間が芽や茎を引っ張って伸ばそうとしても無駄ですし、植物にとってはきっと迷惑なことでしょう。また、盆栽のように、誰かが考えた「正しい」「美しい」形にしようと針金を巻きつけると、その人間にとっては好ましい形になるでしょうが、松の本来の形、その松がなりたい形とは違う、歪んだ形にしかなりません。
傾聴する営みにも同じことが言えます。植物にとっての適切な環境は、光、温度、養分、水ですが、私たちのこころにとっての適切な環境のひとつが、自分のことを分かってくれる人間関係なのです。ですから、苦しむ人、こころが弱っている人の語りを傾聴することは、その人が本来もっているしなやかさ、たくましさ、その人らしさが、育まれる、適切な環境を提供することなのです。
傾聴の根本には、「人は、適切な環境さえあればその人らしく成長していくのだ」という、人間の成長力があることを感じています。
では、人間誰しもがもっている自分らしさ、しなやかさ、たくましさが育まれる傾聴の関係とは、どのような関係でしょうか。次はそれについてお話しします。
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”8/6(木)PM 12:35、自分の自己嫌悪は聴けていないところにあったのかもしれない。”
私は本を買った日と時間、その理由を本の終わりのページ辺りに書きつける。
昨日読み終わった。またもや本は線だらけになった。
波線直線、破線点線二重線…。
人が印を付けた本は読みにくいと思う。
この本は1,400円ですが、内容に対して安いと思う。2,100円くらいで売ってあっても、私は買うと思います。
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