2009/06/03
感動する脳
☛私が最大級に凹んでいる時に出会った本です。
起こってしまったことは、
そのあとの人生でそれを受け入れて
自ら変化していくしかない。
P.203~ならば、大人にとっての安全基地とは何なのか。その大きなものは、やはり経験やスキル、知識といったものであると思います。それは逃げ込むための基地ではなくて、世の中で戦って行くための基地であるかもしれません。
たとえば、どうしてもうまくいかないことがあったとします。その時に、どうせオレにはできないんだ、と考えてはいけない。感情的にじぶんをせめてしまうと、それは人格を否定することにつながります。人格を否定してしまうと、必ずネガティブ脳は強化されます。
そうではなく、一歩引いて客観的に物事を眺めてみること。どうしてもこの仕事がうまくできない。もしかしたらその原因は、その仕事をやるためのスキルが自分に欠けているのではないかと考えてみる。その結果、欠けているスキルが見つかったのなら、そのスキルを磨けばいいわけです。何かの経験が足りないのであれば、足りない経験を積み重ねていけばいい。明確な欠点を認識することと人格を否定することは全く別のことです。
たとえばイタリア語が全くできない人が、イタリアに住まなくてはならなくなった。これは不安でたまらないでしょう。イタリア語ができないから生活もままならない。話しかけられるのが怖いから外に出かけなくなる。そうして一日中家に閉じこもっていれば、だんだん自分はダメな人間だと思うようになる。明らかに負のスパイラルに陥っていくでしょう。
それは、その人がダメなわけじゃない。落ち込む必要など全くありません。その不安を解消するためにはイタリア語を覚えること。ただそれだけのことなのです。イタリア語が分からないという欠点。それだけに目を向ければいい。とりあえず「ありがとう」と「こんにちは」を覚えれば、どこの国だって生きていけるものです。
日本にいても同じです。日本社会でいきていくための知識やスキルとは何なのか。今の自分の仕事に必要なスキルは何なのか。そして自分には何が備わっていて、何が足りないのか。それを客観的に考えて、足りない部分を埋めていく努力をする。それだけで多くの不安材料はなくなってくものです。
要するに、不安になったり、逃げたいと思ってしまうのは、単に気持ちの問題だけではない。何か自分に欠けているものがあるなら、前向きな気持ちが持てないわけです。そこから目をそらすのではなく、しっかりとかけている資質を見据える。そしてそれを払拭する努力をすることです。もちろん一朝一夕には解決できないかもしれませんが、少なくとも努力し続けることで不安は少なくなるでしょう。
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